腓骨近位端骨折

腓骨頭骨折との診断名の場合もあります。脛骨とつながる部分の骨折です。
腓骨の単独骨折もありますが、脛骨と両方骨折することが多くあります。
腓骨の単独骨折では、大きな可動域制限を残す可能性は低くなります。

腓骨骨幹部骨折

腓骨の真ん中あたりで折れるのを骨幹部骨折と言います。
脛骨・腓骨を合わせて下腿骨と言いますが、交通事故による下腿骨の骨折において、骨幹部骨折は最も多発する骨折です。
脛骨骨幹部骨折を併発する場合は、骨折部位の違いから腓骨骨折を見逃さないように、下腿全体のレントゲンをとるようにしなければなりません。

また、下腿骨の下方、3分の1の部分の骨折は血流が悪いため、骨の癒合が進まず、偽関節を残すことに注意が必要です。

症状としては、激しい痛みがあり、歩く事が出来ません。
開放骨折では、骨折片が皮膚を突き破り、皮膚に小さな傷がみられることもあります。
開放骨折では、皮膚や筋肉などどの軟部組織の損傷程度を調べ、傷の部位からの細菌の検査が必要です。

転位の小さい場合は、徒手整復の上ギブス固定となりますが、転位の大きい場合は、手術となります。
かかとの骨にキルシュナー銅線を入れ、その銅線を直接牽引する方法のほか、直接牽引が出来ないような複雑な骨折の場合、
①キュンチャー髄内固定や②ねじ・プレートによる固定を行います。
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最近では、骨折部を切開しないで、離れた部位から小切開を加えてプレートを挿入し、骨折部をねじ固定する手術も普及しています。

後遺障害としては、偽関節、短縮障害、変形癒合などがありますが、腓骨骨折のみで偽関節をみるのではなく、脛骨骨折との併発でみます。
偽関節に関しては、こちらをご覧ください。
http://www.ziko-sodan.com/cat-3/1081.html
骨がきちんとくっつかずに、まるで大腿骨の真ん中に関節が出来たようになることです。

また、癒合するときに変形して癒合してしまうこともあります。
変形癒合に関しては、こちらをご覧ください。
http://www.ziko-sodan.com/cat-3/1179.html

偽関節を残せば、後遺障害8級9号が、変形を残せば後遺障害12級8号が、可能性は低いですが、下肢の短縮を残せば、短縮度合いにより8級5号、10級8号、13級8号が認定される可能性があります。

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