【事案】

 ロータリーで車を止め、トランクから荷物を降ろしているとき、後ろに停まっていた車がアクセルとブレーキを踏み間違えて衝突してきたため、車と車に挟まれ、大腿骨と脛骨を骨折した事故。

【問題点】

 高原骨折は重症であり、高い確率で重い後遺障害が残ることが考えられる。
 残す後遺障害としては、膝関節の可動域制限、変形癒合による痛みで12級13号などがあるが、この方の場合、術後の経過もよく、可動域に多少の制限は残るものの後遺障害として認定されるほどではなく、変形癒合もないことから、最後は、痛みが残ったという事での14級9号をきちんと認めてもらいたい。

 また、大腿骨骨折に関しては、解放骨折だったことから醜状痕が目立つため、この部分での残存障害をきちんと認めてもらいたいことと、骨折により下肢が短縮したため、ここに関してもきちんと認めてもらわねばならない。

【立証ポイント】

 後遺障害診断書作成時には病院に同行し、自覚症状、下肢の醜状痕、下肢の短縮に関して医師と話し合い、間違いのない診断書の作成を依頼をする。下肢の短縮に関しては、1.5センチの差が明確にあったので、メジャーでの手動計測で記載する事になった。

 が、出来上がってきた診断書を確認すると、醜状痕の所の記載が白紙。本当にこういった事はよくある。
 同行してまで依頼しても、出来上がってくると全然違う内容が書いてあることなど日常茶飯事。
 医師も忙しいので、記載忘れなど仕方がないのかもしれないが、被害者にとっては、仕方がないでは済まされない。被害者に知識がなければ、「これで大丈夫なのだろう」とそのまま申請してしまう事になる。それにより、白紙の部分は0評価。場合によっては数百万円、或いはそれ以上を失う事になるかも。

 だからこそ、確認作業がどうしても必要になってくる。
 今回も、再度病院に行き、醜状痕の部分の記載を依頼。念のために、下肢の醜状痕の部分について、角度を変えて色々撮影した写真を添付して申請。

 結果は、下肢の醜状痕で12級相当、大腿骨と脛骨の痛みでそれぞれ14級9号、併合12級の認定との回答であり、下肢の短縮障害については、認めないということであった。

 下肢が短縮したことにより、見た目にも歩き方にぎこちなさを残す本人としては、当然、納得が出来ない。すぐに異議申立の準備に取り掛かる。
 三度病院に同行して、レントゲン上で見ても下肢の短縮がある事を明確にするため、再度X-P撮影をしてもらう。そして、その旨が記載され診断書の作成を依頼し、それらをもとに早々に異議申立。

 今度は問題なく短縮していることが認められ、13級8号の認定が加わった。
 先の認定と合わせて併合11級の認定となった。