【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。
緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。
また、職場では労災事故としてもらえず、任意保険の対人賠償も運転者が同僚であるため免責、人身傷害保険のみの対応であった。

【立証ポイント】

まず、医師面談し詳細に診断書内容を打合せ、続いて理学療法士と共に腰部、下肢の関節可動域を時間をかけて丁寧に計測した。受傷様態、癒合状態からすべての関節で「用廃」は確保できるので計測ミスを防ぐことに注力した。
しかし、医師が診断書をなかなか記載せず、3か月待たされることに。症状固定後の休業損害が得られない状態は経済的に厳しい。連携弁護士より傷害部分の慰謝料を先行請求してしのいだ。その間、再び病院へ足を運び、診断書記載を急かした。

結果は足関節の「用廃」で8級7号、足趾は「1足の足指の全部の用を廃したもの」9級15号で、脚全体は7級相当とした。腰も当然に8級2号を確保、結果、併合5級とした。
賠償交渉は使用者への賠償額より人身傷害保険からの支払額が逸失利益上有利なため、連携弁護士は人傷への請求で切り上げた。

c_h_19本件はこれで終わりではない。労災について、勤務先、元請先に働きかけて請求を進めている。下請業者は元請会社の顔色をうかがって労災を使わせないことが日常的なのです。労災を使わせない業界の悪癖を打破すべく、ケンカ腰でそれぞれ交渉を継続、相手(職場)が弁護士を立てようが、こちらも適時弁護士を入れてしぶとく労災使用を促した。
労災でも併合5級を目指す必要がある。働けなくなった今、労災の年金支給を諦めるわけにはいかないのです。

(平成27年2月) ※ 併合の為、分離しています

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