【事案】

 自転車で通勤途中、右後方よりの自動車の車線変更で接触、転倒する。自動車はそのまま逃走。目撃者もいない。
 頭蓋骨骨折、急性硬膜外血腫、急性くも膜下血腫となる。その後、体が回復するも、短期記憶障害、倦怠感から職場復帰ができず、何事に対しても自発性が極端に低下する。性格変化、嗅覚障害も確認できる。

【問題点】

 実家から離れひとり暮らしのため、家族の観察が及ばない。同居人である女性ともその後別れることになった為、私がぴったり付き添い立証を進めるしかない。さらにひき逃げ犯は捕まらず、治療費は労災で賄えたものの、後遺障害については政府の保障事業に対して申請を行うことにした。

【立証ポイント】

 神経心理学検査が可能な病院へ誘致し、2か月にわたる検査を病院に同行し辛抱強く行う。ある日は電車で寝込んでしまい検査に間に合わないこともあった。嗅覚検査も事故から4年経っているが、専門医にお願いしてデータをそろえる。また家族の観察については遠隔地の実家と連絡をとりつつ、同居していた女性に懇願し、なんとか協力を取り付けて日常生活状況報告と申述書を完成させた。(ふーっ)

 政府の保障事業の1年にわたる長い審査で高次脳機能障害5級、嗅覚障害14級相当が認定される。現在は労災への後遺障害年金の請求を進めるかたわら、並行して実家の父が加入している自動車保険に対して、無保険車傷害特約・人身傷害特約の請求を連携弁護士から行っている。解決までまだしばらく時間がかかりそうです。

(平成25年10月)

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